[1]仏教講座
講師:岡本一平(駒澤大学仏教学部非常勤講師)
(2008/03/21更新)
 今年の仏教講座は、昨年に続いて『倶舎論』(くしゃろん)を読みながら、仏教について参加者と一緒に考えてみたいと思います。
 『倶舎論』はインドの世親(せしん)という方が書いた作品です。『西遊記』の三蔵法師のモデルとなった玄奘が求法の末に、インドから唐にもたらし、漢文に翻訳した典籍の一つです。日本でも奈良時代から今日まで、仏教の基礎を学ぶ必読の書として親しまれています。
 玄奘訳『倶舎論』は漢文で書かれているので難解な作品ですが、漢文が読めなくても問題はありません(返り点のついているテキストを読んでいます)。また参加しているうちに慣れてゆくと思います。「わかりやすい仏教書のブーム」が続いていますが、もう少し歯ごたえのある伝統的な作品を講読しながら仏教を学んでみたいと思っていらっしゃる方の参加をお待ちしています。
 また、仏教全般についての疑問をもっている方も是非参加してみて下さい。仏教に関することであれば、どのような質疑にも応じてゆきたいと思っています。興味のある方のために、幾つかの参考書を紹介しておきます。

 @櫻部建・上山春平『存在の分析<アビダルマ>』(角川ソフィア文庫)
 A松本史朗『仏教への道』(東書選書134、東京書籍、1993年)
 B袴谷憲昭『仏教入門』(大蔵出版、2004年)
 C桑山正進・袴谷憲昭『玄奘(人物中国の仏教)』(大蔵出版、新装版、1991年)

 @は『倶舎論』の概説書です。少し難しいですが、安価に求められるものとしてはこれより適切な本はないと思います。
 Aは仏教の重要なテーマが平易に書かれています。仏教の入門書としてAの類書はありません。最初に手にとるならば、この本をおすすめします。
 Bは仏教を学ぶことの難しさと面白さを教えてくれる入門書です。仏教に入門して、もう一歩を踏み出したいと思う方におすすめします。
 Cは玄奘のインド遊学と、その結果、中国の仏教界にもたらしたものを解説した本です。玄奘の旅と『倶舎論』の翻訳の歴史的背景を知る上で興味深いです。